BPの”気候変動”株主提案、再び賛成多数へ(by CA100+)

最近ちらちら見かけるClimate Action 100+とは、気候変動に関する機関投資家のイニシアチブで、気候変動ものでは、TCFDの次のブームだ。まあ、CDP(Carbon Disclosure Project)からはじまって、TCFD(Task Force on Clikate-related Financial Disclosure)までは、気候変動に関する情報開示(Disclosure)を求めてきたわけで、いよいよアクションだ、つまり温暖化ガス排出の削減を求めようというのがCA100+だ。グローバルで二酸化炭素排出の多い100社とその次に気になる61社、合計161社に対してメンバーに手を挙げた300の機関投資家による共同エンゲージメントを行う。具体的には、削減目標の設定を求め、具体的な成果=削減(アクション)をモニターしようというものだ。エンゲージメントの成果は、文字通り、温暖化ガス排出の削減達成だ。

Chairは、CalPERSのAnne Simpson氏。ピンとこない人はESG Newbieね。とはいえ、Climate 100+の元は、Aiming for ‘A’ Coalitionという英国の「気候変動に関する機関投資家のイニシアチブ」だ。英国においてBPとShellの気候変動に関する株主提案を95%の圧倒的賛成率で可決したという大成功の成果を上げた(注1)。気候変動ものの共同エンゲージメントでは、CDP以来の功績といっていい。このAiming for ‘A’ CoalitionはIIGCCに引き継がれ(注2)、気候変動の共同エンゲージメントを目指すCA100+となったのだ。

(注1)
英国では、株主提案には株主100人の賛同が必要なため、ほとんど株主提案はされない。株主提案を実現すること自体が共同エンゲージメントの成果といっていい。圧倒的賛成率を得た理由は、総会前に両社の取締役会が賛成を表明していたからだ。余談だが、リードした機関投資家の中に、Church of England(英国国教会)がいた。今回のCA100+になってからの、BPやグレンコアの共同エンゲージメントでも英国国教会が目立っている。

(注2)
IIGCC(Institutional Investors Group on Climate Change)は、欧州機関投資家が中心の気候変動に関する機関投資家のイニシアチブ。
IGCC (Investor group on Climate Change)で、は米国機関投資家を中心とするイニシアチブ。
Ceresは、米国の企業に環境責任を求める機関投資家のNPOで、ほとんどのESG投資に関するイニシアチブの発祥元。INCR(Investors Network on Climate Risk)を主催している。最近は米国のイニシアチブはINCRではなくIGCCを使っている。
アジアは投資家の気候変動に関する関心が薄いこともあって、気候変動に関する機関投資家のイニシアチブがなかった。意識高いオセアニアは、IIGCC(ANZ)を作っていたが。最近、AIIGCCが立ち上がったようだ。誰が中心になっているのかは把握していない。
CA100+は、IIGCC(欧)、IGCC(米)、AIIGCC(アジア太平洋)とPRIが主催している。

したがって、グローバルベースとはいえ、Aiming for Aを引き継いだIIGCCが中心になる。CA100+として、再びBPへの株主提案を予定しているが、BPの取締役会の支持を取り付けており、賛成多数を達成できそうだ。一方、Shellに対する株主提案は、Follow Thisというオランダの責任投資グループから出されるが、こちらはShellの取締役会の支持がないため、賛成多数は難しそうだ。Follow Thisは、BPにも同様の株主提案を出す予定なのだが、BPの取締役会は支持しないという。なので、BPには似たような株主提案で、片方は取締役会が事前にサポートを表明しており、もう片方はサポートしないという株主提案が出されるという、機関投資家株主には頭の痛い状況になりそうだ。取締役会が支持しているかどうかで、同じ内容の株主提案に異なった投票を行うというのは、取締役会への忖度にみえる。

他にも、すでにBPの取締役会が認識していることを株主が追認する必要はないという意見もあるだろう。とはいえ、BP自身がレポートに書いているように、Sustainable Developmentはエネルギーセクターにとっては、エネルギー需要の拡大と温暖化ガス削減の同時達成という難問を解くことである。そして、これが気候変動問題の核心なわけで、気候変動に関する共同エンゲージメントがエネルギー供給側から始まることに違和感はない。気候変動共同エンゲージメントはオイルメジャーへ横展開していくだろうし、資源開発や電源開発、発電事業に向かうだろう。

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