最近、スマートベータインデックスが流行しているが、
ESGをくっつけて、てんこ盛りのESGスマートベータインデックスがResponsible Investorに紹介されていた。
FTSE Russellの
FTSE All-World Ex CW Climate Balanced Factor Index
というやつだ
解説すると、
FTSE All-World Indexつまりグローバル先進国株式+エマージング市場株式の約3000銘柄をユニバースとし
CWとはControversial Weaponsのことで、Ex CWは、問題兵器(製造)を除くで、問題兵器とはクラスター爆弾、対人地雷、化学兵器および生物兵器。こういった兵器製造などの企業を除外し
アノマリーがあるとみられている4ファクター(バリュー、低ボラティリティ、小型、クオリティ)で時価総額ウェイトのウェイト付けを変更し、
気候変動でもう一回ウェイトを変更する、化石燃料つまり石油ガスなどのセクターのウェイトを下げ、温暖化ガス排出量でもウェイトを下げ、グリーンビジネスのウェイトを上げた
インデックスということで
スマートベータでファクター投資もでき、問題兵器のネガティブスクリーニングもでき、化石燃料を罰して長期的な炭素リスクへの対応も実現できるという
オールインワンジェルみたいにこれ一つでESG投資が完成しそうなインデックスだ
さらに、実際にLGIM (Legal & General Investment Management)が、これにトラックするインデックスファンドをHSBCの年金基金のために組成しており、HSBCの年金基金のDBとDCで採用されており、DCではデフォルトファンドになっているという。
ファンドの保有銘柄は2000+銘柄で、このファンドにはLGIMのClimate Impact Pledgeというエンゲージメントも付いている。
(LGIMは積極的なエンゲージメントを行うパッシブ運用機関として有名だ)
AUMは6,700億円くらい
FTSEのバックテストでは、過去15年間でFTSE All-World Indexをアウトパフォームするとしているが、
LGIMはファンドの過去のパフォーマンスを提示するにはデータが十分でないと言っている。
コンサルのレーティングも取れているみたいなコメントもあり
エンゲージメントではLGIMはCarillion affairに注目しているそうだ。構造的なガバナンスの問題と企業と監査人のぬるい関係を指摘している。
ちなみにCarillionは、英国2番目の公共事業中心の建設大手で、多額の負債から資金繰りに窮し、この1月に会社精算を申請した。