PRI in Person 2018レポート(2):アルゴアとユニリーバのキーノート

PRI in Person 2018 at SFのキーノートはDay1は、気候変動セレブのアルゴア元副大統領だった。
副大統領や次の大統領選を戦っていた頃は、ハンサムな見た目の割にスピーチがヘタで随分損をしていた感があったが、最近はちょっと酔っ払いトークのようだけど気候変動に関してはさすが上手くまとめて、スタンディングオベーションも会場前方で貰っていた。英語が苦手な人は「不都合な真実続編」を観ておくと、リスニング満点取れたかもしれない。不都合な真実続編では、アルゴアがパリ合意に向けてBehind Sceneで奮闘する様子が描かれているんだけど、ここSFのエピソードは、ブラウン知事が通したSB(州法)100の州議会の可決に向けて、議員の説得をするくだり(ハウスオブカードを観てる人にはお馴染みですね。)ちなみにSB100は、カリフォルニアの発電を100%再生可能エネルギーにするという法案で、このSFクライメート祭りの目玉。気候変動に背を向けるトランプ政権をやんわり批判しながら、オチは A political will is a renewable enegy.

アルゴア氏は実は、Generation Investment Managementの創業者会長というアセットマネジメントの顔がある。Generation IMは、2000年半ばに、元ゴールドマンが起業、「世代を超えて発展するサステナブルな企業にじっくり投資する」グローバル株式のアクティブ運用の運用機関で、運用スタイルは保有銘柄数が40程度の集中投資かつ長期投資というESGインテグレーション投資のお手本のようなファンドである。しかも、10年にわたって市場ベンチマークをアウトパフォームしている、つまりESGインテグレーションで結果を出しているファンドなのだ。2年前シンガポールで開かれたPRI in Person 2016ではGeneration IMのCEOがキーノートだった。最近は、Generation Foundationを作って、パームオイルに関する投資家グループに知見を提供したり、「21世紀の受託者責任」やロードマップレポートのスポンサーをしたりしている。ということで、Generation IMの成功で、アルゴア会長も相当の資産形成もできたはずで、ESG投資で儲けた人なのだ。「気候変動に対応しない投資こそ、受託者責任違反だ!」とPRIの主張を代弁していたが、彼が言えば説得力があるというわけ。

Day2のキーノートはユニリーバのポールポールマン社長
ユニリーバは、オランダのコンシューマープロダクツ(一般消費財)メーカーで、世界展開してたぶん世界一売り上げるグローバル企業である。洗剤や石けん、シャンプーといったトイレタリーと食品を製造している。日本だとDoveやLuxなどのブランドがある。ユニリーバはESG超優等生のグローバル企業で、あらゆるESGスコアでトップランキングされている。パームオイル運動のときは、ESG投資家はパームオイル製造会社にエンゲージメントすると同時に、パームオイルの主要な仕入れ者であるユニリーバにもエンゲージメント、それを受けて、ユニリーバはサステナブル認証を得たパームオイルしか購入しないことを宣言した。パームオイル製造会社も売り先から言われてはたまったものではないので、熱帯雨林を破壊しながらアブラヤシのプランテーション開発には歯止めがかかるだろう、という効果を狙ったもので、サステナブル・パームオイル運動の大きな成果であった。

サステナビリティを経営戦略とするポールマン社長もまた、アルゴア同様、地球温暖化やより平等な社会、SDGsを達成するためにビジネス界が努力をすべきで、それがビジネスの成長に結びつく(最後に愛は勝つ)、投資家はどこにお金を投じるか、どの企業を選ぶのか、よく考えてくれ。

もちろん、スタンディングオベーションだけど、ポールマン社長の自信に満ち溢れたサステナビリティへの確信は、ユニリーバの業績の良さに裏打ちされたものだ。ネスレ、ダノンもそうだけど、ここ数年、プロダクトラインをばっさばっさ整理して、洗濯いや選択と集中でストリームライン、Leanな体型となって収益力をあげ、株価も金融危機前の35ドルを上抜きこの9月には60ドルの大台にのせている。そのポールマン社長が、来たるべき低炭素社会やミレニアルズが主人公となる時代への対応は完璧だと言えば、これ以上の安心感はないだろう。

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