CECP CEO投資家フォーラム(米国発のイニシアチブ)

CECP (The CEO Force for Good) は、あのポールニューマンが創ったというCEOの団体で、そのCECPが主催しているCEO投資家フォーラムは、投資家が求める長期的価値創造(Long-term value creation)を可能にするためCEOを応援するイニシアチブである。

CECPのリサーチディレクターのBrian Tomlinsonは、メディアでもイニシアチブについて発信し始めているが、これの前はPRIで各国のRoadmap Reportsを書いていた。Japan Roadmap Reportで一緒した縁でこのイニシアチブの情報を送ってきてくれたので紹介する。

CECPの投資家委員会は、新しくSIIアドバイザリーボード(Strategic Investor Initiative Advisory Board)をつくって、
投資家が求める長期的な価値創造プランについてガイダンスをまとめた。
それが
CEO Investor Forum: Investor Letter to Presenting Comapnies

レターの内容はいたってシンプルで
長期的な投資家は、四半期の業績ガイダンスより、長期的な成長、戦略、リスクについて企業を深く理解したいと考えている。通常、長期的な投資家のホライゾンは3~7年、あるいはそれ以上であり、CEOに語ってもらいたいのは
将来の成長計画、長期的な戦略、財務やESGリスクとリスクに対する戦略とリソース配分である。
長期的な投資家は投資先企業を深く理解し、納得のいく議決権行使やエンゲージメントをしたいと考えている

長期的な価値創造プランがCEOから示されたとき、投資家は以下の質問を投げかける。
1.ここ3~7年先に貴社のビジネスに影響する主要なリスクとメガトレンド
2.財務の課題と資本配分戦略
3.企業理念、企業の社会における役割を従業員との共有
4.将来の人的資本の需要とそのマネジメント
5.株主やステークホルダーとの関係
6.長期的なゴールへと導く取締役構成とは
7.高性能でダイバーシティのある取締役会の設計と構築

ということで先のブラックロックのフィンク社長のオープンレターと主張を共有しており
「長期的投資家」が気にするのは長期的な企業の経営戦略であり、ステークホルダー経営であり、有能な取締役会との主張だ。
アドバイザリーボードには
ブラックロックやバンガード、ステートストリート、ニューバーガーバーマンなど運用機関の他CalSTRSやHermesEOSも見えている。

注目すべきは、ステークホルダー経営を求めているところと、取締役会重視。
改定ICGNガバナンス原則や今度改定される英国のガバナンスコードとも共通する点だ。米国でも投資家は取締役会重視になってきているし、ステークホルダー経営や人的資本(従業員)経営も押さえておきたいところ。

CEO投資家フォーラムは過去2回開催され、延べ14社のCEOが投資家を前に長期的な価値創造プランについて述べた。
3回目はこの4/19にSFで行われ、PG&EやWells FargoのCEOがプレゼンテーションする予定だ。

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